
長座体前屈の平均値は?小学生の全国平均と柔軟性測定方法
2026年8月更新
長座体前屈は、新体力テストの8種目のうち「柔軟性」を測る種目です。床に座って足を伸ばし、前に屈んで指が到達した距離を測ります。この種目は17年間でほぼ唯一、小中学生の平均値が上がり続けている特徴があります。
この記事では、スポーツ庁「令和7年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の原典データと、文部科学省の実施要項から、全国平均・得点の基準・正しい測定方法をまとめます。数値はすべて原典の値をそのまま使っています。
長座体前屈の全国平均(令和7年度)
全国の小学5年生を対象にした悉皆調査の結果です。
| 学年 | 男子 | 女子 |
|---|---|---|
| 小学5年生 | 33.88 cm | 38.17 cm |
出典: スポーツ庁「令和7年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査」
男女の数値を比べる意味はありません
新体力テストの得点表は男女別に作られています。同じセンチメートルでも男女で得点が変わるため、男女の距離を並べて優劣を語ることはできません。比べるなら、同じ性別・同じ学年の平均と比べてください。
何センチで何点? 項目別得点表
新体力テストは、各種目の記録を10点満点に換算して合計します(8種目で80点満点)。長座体前屈の換算表は次のとおりです。
小学校
| 得点 | 男子 | 女子 |
|---|---|---|
| 10点 | 49cm以上 | 52cm以上 |
| 9点 | 43~48 | 46~51 |
| 8点 | 38~42 | 41~45 |
| 7点 | 34~37 | 37~40 |
| 6点 | 30~33 | 33~36 |
| 5点 | 27~29 | 29~32 |
| 4点 | 23~26 | 25~28 |
| 3点 | 19~22 | 21~24 |
| 2点 | 15~18 | 18~20 |
| 1点 | 14cm以下 | 17cm以下 |
出典: 同調査 報告書「項目別得点表」(小学校)
全国平均の小5男子33.88cm、女子38.17cmは、どちらも得点表では6点にあたります。8種目の合計点と総合評価の見方は小学生の新体力テスト完全ガイドで解説しています。
正しいやり方(実施要項より)
文部科学省の「新体力テスト実施要項」には、測定の準備と方法が細かく決められています。学校で説明を受けても細部まで覚えている子は多くありません。ルールを正しく知っているだけで、記録が伸びることもあります。
準備(実施要項より)
- ・幅22cm、高さ24cmの箱2個を左右約40cm離して平行に置く
- ・その上に段ボール厚紙(横75~80cm、縦約31cm)をのせ、ガムテープで固定する
- ・床から厚紙の上面までの高さは25cm(±1cm)にする
- ・箱の横にスケール(メジャー)を置き、零点を合わせる
方法(実施要項より)
- ・被測定者は両脚を両箱の間に入れ、長座姿勢をとる。壁に背・尻をぴったりつける
- ・肩幅の広さで両手のひらを下にして、手のひらの中央付近が厚紙の手前端にかかるように置く
- ・胸を張って両肘を伸ばしたまま、両手で箱を手前に十分引きつけ、背筋を伸ばす(初期姿勢)
- ・両手を厚紙から離さずにゆっくり前屈し、箱全体を真っ直ぐ前方にできるだけ遠くまで滑らせる
- ・膝が曲がらないように注意する
- ・初期姿勢から最大前屈時の箱の移動距離をスケールから読み取る。記録はセンチメートル未満切り捨て
- ・2回実施してよい方の記録をとる
- ・靴を脱いで実施する
出典: 文部科学省「新体力テスト実施要項(6歳〜11歳対象)」
膝を曲げるとやり直し
長座体前屈は「膝が曲がらないように」が絶対の条件です。胸を張ったまま、足を真っ直ぐ保つ意識が大切です。前屈の深さよりも、膝を伸ばす姿勢を優先してください。
長座体前屈の記録は17年でどう変わったか
小学5年生の全国平均の推移です。平成20年度から令和7年度までの原典の数値をそのまま並べています。
| 年度 | 男子 | 女子 |
|---|---|---|
| 平成20年度 | 32.68 cm | 36.64 cm |
| 平成30年度 | 33.31 cm | 37.63 cm |
| 令和元年度 | 33.24 cm | 37.62 cm |
| 令和3年度 | 33.49 cm | 37.92 cm |
| 令和4年度 | 33.80 cm | 38.20 cm |
| 令和5年度 | 33.99 cm | 38.47 cm |
| 令和6年度 | 33.79 cm | 38.21 cm |
| 令和7年度 | 33.88 cm | 38.17 cm |
※令和2年度は新型コロナのため調査中止。出典: 同調査
男子は平成20年度の32.68cmから令和7年度の33.88cmへ、女子は36.64cmから38.17cmへと上がっています。長座体前屈は握力・50m走・ソフトボール投げなど他の種目が低下傾向にある中で、小中学校男女ともに向上傾向を続けている数少ない種目です。
「なぜ向上しているのか」は調査では特定されていません
スポーツ庁の調査には向上の原因に関する記述がありません。柔軟性が改善している事実は明確ですが、その理由を推測することはできません。当サイトでは根拠のない理由付けはしません。
柔軟性が活きるスポーツ
長座体前屈が得意な子は、柔軟性を求める競技で力を発揮しやすい傾向があります。ただし、どの競技も柔軟性だけで決まるものではなく、瞬発力・バランス・筋力など複数の要素の組み合わせで成り立っています。
一方、長座体前屈が苦手でも速く走れる子は、瞬発力を活かせる競技が向いているかもしれません。50m走が速い子の特徴もあわせてご覧ください。
平均と比べるときに知っておきたいこと
同じ小学5年生でも、4月生まれと3月生まれではほぼ1年の発達差があります。柔軟性は年齢・体格・成長のペースにも左右されるため、平均を下回っていること自体が問題を示すわけではありません。
また、長座体前屈は「やり方を知っているかどうか」で記録が変わる種目でもあります。初期姿勢をしっかり作り、膝を伸ばす意識を持つだけで記録が伸びる子は珍しくありません。記録だけを見て「柔軟性がない」と判断する前に、測定方法を確認してみてください。
当サイトでは、新体力テストの記録を入力すると全国平均と比較して、お子さんの体力の特徴と向いているスポーツの傾向を確認できます。学年・性別ごとの平均値は年齢別の平均ページに掲載しています。
出典・参考資料
- 文部科学省(スポーツ庁委託)「体力・運動能力調査報告書」— 新体力テスト8種目の全国平均値データ
- スポーツ庁「令和7年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査」結果 https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/toukei/kodomo/zencyo/1411922_00014.html
- 同 報告書「項目別得点表・総合評価基準表」 https://www.mext.go.jp/sports/content/20251216-spt_sseisaku02-000046317_000905.pdf
- 文部科学省「新体力テスト実施要項(6歳〜11歳対象)」 https://www.mext.go.jp/a_menu/sports/stamina/05030101/001.pdf
- 文部科学省「新体力テスト実施要項」ページ https://www.mext.go.jp/a_menu/sports/stamina/03040901.htm
- ※ 運動発達・スポーツ科学に関する内容は、スポーツ科学分野で広く知られた知見をもとに当サイトが解説したものです。