
陸上競技に向いている子の特徴|小学生の適性を新体力テストで判断
2026年8月更新
陸上競技は「走る」「跳ぶ」「投げる」などの運動で構成されている基本的なスポーツです。小学校から中学校へと段階を踏みながら学習を深めていく中で、全ての子どもが経験する競技でもあります。この記事では、陸上競技に向いている子の特徴を、新体力テストのデータと学習指導要領の内容から解説します。
陸上競技は学校体育の中で特別な位置づけ
陸上競技は、習い事として習うことも多いスポーツですが、同時に学校の体育の授業でも必ず学びます。小学校から段階的に経験を重ねていくからこそ、適性を見極めやすい競技です。
学校体育での学習段階
- 低学年:「走・跳の運動遊び」で基本的な動きを習得
- 中学年:「走・跳の運動」で動きの質を高める
- 高学年:「陸上運動」(短距離走・リレー、ハードル走、走り幅跳び、走り高跳び)で技能と記録に挑戦
- 中学校:「陸上競技」として技術を発展させ、効率よい動きを身につける
つまり、陸上競技に「向いている・向いていない」は、学年が上がるにつれて自然と見えてくるものです。お子さんが新体力テストでどの種目の記録が良いかを確認することで、陸上のどの領域が適性に合っているかがわかります。
新体力テストと陸上競技の3つの要素は対応している
新体力テストの8種目のうち、3つの種目が陸上競技の基本要素(「走」「跳」「投」)にそのまま対応しています。これらの記録を見ることで、陸上のどの領域が得意かが判断できます。
| 陸上の要素 | 対応するテスト項目 | 具体的な競技 |
|---|---|---|
| 走 | 50m走・20mシャトルラン | 短距離走・長距離走・リレー・ハードル走 |
| 跳 | 立ち幅とび | 走り幅跳び・走り高跳び |
| 投 | ソフトボール投げ | ハンマー投げ・砲丸投げ・やり投げ等 |
お子さんがこの3つのテストでどのような記録を出しているかを確認することで、陸上のどの領域が適性に合っているかがわかります。例えば、50m走は速いけれど立ち幅とびは得意でない場合、短距離走に向いているかもしれません。
全国平均と比べてみましょう
50m走の全国平均、立ち幅とびの全国平均、ソフトボール投げの全国平均と比べることで、得意分野が明確になります。
全国大会で学べる、陸上競技の実際
小学校高学年になると、全国規模の大会に出場するチャンスが生まれます。全国小学生陸上競技交流大会は、公式な全国大会として実施されており、参加には一定の条件があります。
全国小学生陸上競技交流大会の実施種目
- ・小学5年生100m走(男・女)
- ・小学6年生100m走(男・女)
- ・コンバインドA:80mハードル・走高跳(男・女)
- ・コンバインドB:走幅跳・ジャベリックボール投(男・女)
- ・男女混合4×100mリレー
出典: 日本陸上競技連盟「全国小学生陸上競技交流大会 大会要項」
参加資格
- ・小学5・6年生であること
- ・日本陸上競技連盟への登録が必須
- ・1人が出られるのは1種目のみ(コンバインドやリレーも1種目として扱われます)
全国大会への参加を目指すことで、お子さんの適性がより明確になります。また、「コンバインド」という複数の種目を組み合わせた競技形式も、陸上の多様性を学べるポイントです。
陸上競技に向いている子の特徴
記録が数値で出ることが好き
陸上競技は秒数や距離で記録が明確に出る競技です。自分の進歩が数字でわかる喜びを感じられる子に向いています。
個人で自己記録に挑戦したい
陸上は個人種目が基本です。チームスポーツではなく、自分のペースで目標に向かって努力する環境を好む子が伸びやすい傾向があります。
新体力テストで50m走または立ち幅とびが得意
これらの項目の記録が全国平均より良い子は、陸上の基本的な運動能力が高い可能性があります。
重要な但し書き
上記の特徴は、競技の特性から整理したものであり、公式に定められた基準ではありません。お子さんの興味や努力により、適性は大きく変わります。記録が平均より低くても、陸上が大好きなお子さんは十分に上達できます。
陸上の各領域について詳しく知る
陸上競技は「走」「跳」「投」に分かれています。各領域について詳しく学ぶことで、お子さんの適性がより明確になります。
50m走の全国平均と得点表
短距離走に必要な瞬発力について
立ち幅とびの全国平均と得点表
跳躍力と下肢の瞬発力について
ソフトボール投げの全国平均と得点表
投げる力と上半身の筋力について
20mシャトルランの全国平均
長距離走に必要な持久力について
また、新体力テストの完全ガイドでは、8種目すべての記録から総合的な体力評価を確認できます。
兄弟姉妹や年齢による違い
同じ学年でも、4月生まれと3月生まれでは発達段階に大きな差があります。陸上競技は記録が明確に出るため、この差が特に見えやすい競技です。
発達段階の違いを踏まえよう
お子さんが「陸上に向いていない」と判断する前に、月齢による発達の差を考慮してください。特に小学3~4年生までは、成長のペースが大きく異なります。同じ学年でも、3~4ヶ月の身体的成熟度の違いが記録に影響することは珍しくありません。
何年も続けることで、適性は変わる可能性があります。1つの時点での記録だけで判断せず、長期的な成長を見守ることが大切です。
まとめ
陸上競技に向いている子の見極め方は、新体力テストのデータと、お子さん自身の「記録に挑戦したい気持ち」の両方を大切にすることです。すべての子が学校体育で経験する競技だからこそ、成長の過程で適性は変わっていきます。数値で見える進歩が喜びになる子にとって、陸上競技は最高のプラットフォームになるでしょう。
出典・参考資料
- 文部科学省(スポーツ庁委託)「体力・運動能力調査報告書」— 新体力テスト8種目の全国平均値データ
- 日本陸上競技連盟「日清食品カップ 第40回全国小学生陸上競技交流大会 大会要項」 https://www.jaaf.or.jp/files/competition/document/1878-1.pdf
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 保健体育編」 https://www.mext.go.jp/content/20250213-mxt_kyoiku01-100002608_2.pdf
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 体育編」 https://www.mext.go.jp/content/20240918-mxt_kyoiku01-100002607.pdf
- ※ 運動発達・スポーツ科学に関する内容は、スポーツ科学分野で広く知られた知見をもとに当サイトが解説したものです。